| 小児の気管支喘息について |
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6.喘息の長期管理
喘息は発作の重症度により5つのステップに分類され、それぞれのステップ毎に治療のガイドラインが決められています。
表 小児気管支喘息の発作型分
発 作 型 |
症状の程度ならびに頻度 |
治療ステップ |
間欠型 |
・年に数回、季節性に咳嗽、軽度喘鳴が出現する
・
時に呼吸困難を伴うこともあるが、β2刺激薬の頓用で短期間で症状は改善し持続しない。
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ステップ1 |
軽症持続型 |
・咳嗽、軽度喘鳴が1回/月以上、1回/週未満。
・時に呼吸困難を伴うが持続は短く、日常生活が障害されることは少ない。 |
ステップ2 |
中等症持続型 |
・咳嗽、軽度喘鳴が1回/週以上。毎日は持続しない。
・時に中・大発作となり日常生活が障害されることがある。 |
ステップ3 |
重症持続型1 |
・咳嗽、軽度喘鳴が毎日持続する、
・週に1〜2回中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される。 |
ステップ4−1
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重症持続型2 |
・重症持続型1に相当する治療を行っても症状が持続する。
・しばしば夜間の中・大発作で時間外受診し入退院を繰り返し、日常生活が制限される。 |
ステップ4−2
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▼実際に使われる薬剤▼ |
1.長期管理薬
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長期管理薬(コントローラー)の特徴は、抗炎症作用をもっていることです。
1) クロモグリク酸ナトリウム(インタール)
肥満細胞からの化学伝達物質の遊離を抑えます。運動の前に吸入することで運動誘発性喘息を抑えてくれます。インタール吸入液にβ2気管支拡張剤を混ぜて吸入する方法も効果があります。カプセルの粉末、ガスの粉末、液体があります。経口インタールは、ぜん息には効果がありません。
2) 経口抗アレルギー薬
小児ぜん息に使用されている抗アレルギー薬は、下表のとおりです。主に間欠型、軽症持続型、中等症持続型のぜん息に使用されます。一般的に2か月間ぐらい使用して効果を判定します。
分類 |
薬品名 |
商品名 |
化学伝達物質遊離抑制薬 |
トラニラスト
ペミロラストナトリウム
レピリナスト |
リザベン
ペミラストン、アレギザール
ロメット |
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即時型アレルギー反応における肥満細胞からの化学伝達物質の遊離を抑制します。 |
ヒスタミンH1拮抗薬 |
フマル酸ケトチフェン
塩酸アゼラスチン
オキサトミド
メキタジン |
ザジデン
アゼプチン
セルテクト
ゼスラン、ニポラジン |
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咳型ぜん息や咳嗽の強い者に有効。アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などを合併する場合に合併症にも効果があります。 |
ロイコトリエン受容体拮抗薬 |
プランルカスト
モンテルカスト |
オノン
シングレア、キプレス |
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ロイコトリエンという化学伝達物質のうちの一部が気管支収縮、気道炎症に強く作用しています。このロイコトリエンが作用する場所(受容体)を抑える(拮抗する)作用があるのがこの薬です。これまでの抗アレルギー薬より優れた作用があります。 |
Th2サイトカイン阻害薬 |
トシル酸スプラタスト |
アイピーディ |
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サイトカインを抑える作用があります |
■シングレアやキプレスは水なしで飲める口腔内溶崩錠があります。
■アイピーディ(IPD)には最近、咳を抑える効果があることが判明しています。
3) 吸入ステロイド
吸入ステロイド薬は、気道の炎症を強力に抑え、症状の改善、肺機能の改善、気道の過敏性が改善します。これによって、ぜん息発作が減り、入院や喘息死が減少しています。
ぜん息を発症し早期に使用することでリモデリング(細胞が壊れる)を予防できます。
薬品名 |
商品名 |
剤型 |
プロピオン酸ベクロメタゾン(BDP) |
ベコタイド
アルデシン
キュバール |
定量噴霧式(フロンガス)
定量噴霧式(フロンガス)
定量噴霧式(ノンフロンガス) |
プロピオン酸フルチカゾン |
フルタイド |
ドライパウダー
定量噴霧式(ノンフロンガス) |
ブデソニド |
パルミコート |
ドライパウダー |
年齢や重症度、吸入方法で薬剤の選択、投与量を決めています。投与量の決定は、はじめ少量から開始するステップアップ方式と十分量から開始して症状の改善とともに減量するステップダウン方式があります。
副作用は、これまでの検討でベクロメサゾンで1日量400μg以下なら概ね問題がないと考えられていますが、個人差があるので十分注意が必要です。
ステロイドの内服や点滴とは異なり、吸入ステロイドの場合は、ステロイドが全身に回らず、気管支は肺だけに主に作用するので全身性の副作用がほとんどありません。呼吸器に重症の感染症がある場合は悪化させるので注意が必要です。
4) テオフィリン徐放製剤
内服後ゆっくり薬が出てくるように工夫されていますので内服してから効果がでるまで時間がかかります。気管支拡張効果や抗炎症効果があります。
テオフィリンの体の中での分解は、個人差があります。血中濃度があがると副作用が出やすいので乳児、感染症時、脱水時、発熱時、併用薬剤があるときは注意が必要です。カフェインからの誘導体なので吐き気を催すことがあります。
5) β2刺激薬
β2気管支拡張剤(刺激薬)は、発作の時に使用する気管支拡張剤です。これらの薬を長期に使用しなくてはならない状態の時は、他の治療方法でステップアップを考えるべきです。心臓や子宮の筋肉への副作用があります。 |
喘息発作のコントロールで大切なことは、炎症を抑えることにより気管支の細胞のリモデリング(崩壊)を防ぐことです。近年の吸入ステロイド(フルタイド等)や吸入β2刺激薬は薬の成分が肺内に留まり、全身性の副作用が少ないので、ステロイドというだけでいたずらに怖がらずに正しく使用して、楽しい日常生活が送れるようにすることが大切です。
(参考)アレルギー情報センター
http://www.allergy.go.jp/allergy/index.html |