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(1)発熱について(2)引きつけについて(3)嘔吐について(4)下痢について(5)脱水について
(6)咳・喘鳴について(7)各論1 麻疹(8)各論2 風疹(9)各論3 特発性発疹
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各論4 水痘11)各論5 水いぼ(12)各論6 手足口病(13)各論7 おたふくかぜ
(14)各論8 リンゴ病(15)各論9 マイコプラズマ肺炎(16)各論10 百日咳
(17)各論11 溶連菌感染症(18)各論13インフルエンザ

(番外編1)傷の手当(番外編2)ワクチンの注射について (番外編3)経口補液のレシピ
(番外編4)小児のスキンケア(番外編5)各論12 学校伝染病


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(18)各論13インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症ですが、個体や社会に対する影響の重大性から「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき疾患です。インフルエンザは、いまだ人類に残されている最大級の疫病です。

病原体
インフルエンザウイルスにはA,B,Cの3型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A 型とB型ウイルス粒子表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白があり、これらが感染防御免疫の標的抗原となっています。特にA型では、HA 15 亜型、NA 9亜型の抗原性の異なる亜型が存在するため、人獣共通感染症として動物由来の亜型ウイルスがヒトの世界にも侵入します。

臨床症状
A 型またはB 型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3 日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38 度以上の高熱)・頭痛・全身の倦怠感・筋関痛などが突然現われ、咳・鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1 週間の経過で軽快します。いわゆる「かぜ」に比べて全身症状が強いのと経過が早いのが特徴です。特に、高齢者や、年齢を問わず呼吸器・循環器・腎臓に慢性疾患を持つ患者、糖尿病などの代謝疾患・免疫機能が低下している患者などがインフルエンザに罹患すると、原疾患の増悪とともに、呼吸器に2 次的な細菌感染症を起こしやすくなることが知られており、肺炎、気管支炎などの合併症を起こし、入院や死亡の危険が増加する。小児ではこれらの合併症に加えて中耳炎を起こしやすく、気管支喘息を誘発することもあります。 インフルエンザに罹患すると重症化、さらに致死的な合併症を起こしやすい人はハイリスク群とよばれ、インフルエンザ対策上、予防・治療の対象として最も優先順位が高いとされていますが、この優先順位のつけ方には国によって考え方がかなり異なるようです。
  小児のインフルエンザ患者に解熱剤としてアスピリン等のサリチル酸製剤を投与すると、稀に脳浮腫・脂肪肝を主徴とする予後不良のライ症候群を起こすことがあります。アスピリンの長期投与を受けている川崎病等の小児では、インフルエンザの予防(ワクチン接種)が大切です。
  一方、近年インフルエンザの流行期に、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する脳炎・脳症などの重症神経系合併症例が増加することが明らかとなり問題となっています。厚生労働省「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」(班長:森島恒雄名古屋大学医学部教授)で行った調査によると、毎年50 〜200 人のインフルエンザ脳炎・脳症患者が報告されており、その約10〜30%が死亡しています。臨床経過や病理所見からは、上記のライ症候群とは区別される疾患と考えられますが、原因は不明です。インフルエンザ脳炎・脳症の増加の原因については先の研究班で詳細な調査が続行されており、すでに一部の非ステロイド系消炎鎮痛剤の使用との関連性が疑われているため、それらをインフルエンザの治療には使わないよう注意が求められています。(詳細はhttp://idsc.nih.go.jp/others/topics/inf-enc.html を参照)。

ウイルス学的診断
急性期の患者の咽頭拭い液やうがい液からウイルスを直接に分離することが病原診断の基本です(長崎県衛生公害研究所でやってくれます)。検体を発育鶏卵羊膜腔や組織培養細胞に接種して培養し、増殖してきたウイルスの同定を行いますが、これには特別な設備や技術が必要であり、結果が出るまでには約1週間を要します。
患者の血清診断には、従来から補体結合法(CF )、赤血球凝集阻止反応(HI)などが主に用いられていますが、いずれも急性期と回復期の抗体価の4 倍以上の上昇をもって診断するので、確定診断には2 〜3週間を要します。CF 抗体はウイルスの内部抗原を認識する抗体で、インフルエンザA,B,C の型別は出来ますが、A型ウイルスの亜型の判別は不可能です。HI 抗体は感染後も長期にわたって証明され、また型別、亜型別の判定や抗原変異の程度を比較的簡単に測定することが可能であり、血清疫学調査やワクチンの効果を調べるのに有用です。患者検体からウイルスの遺伝子を選択的に増幅して検出する遺伝子診断法(RT−PCR)が開発されていますが、実験室内の交叉汚染や特異性の問題もあり、結果の判定・評価には慎重さが求められます。
一方、最近は外来あるいはベッドサイドなどで20〜30分以内に迅速簡便に病原診断が可能なインフルエンザ抗原検出キットが開発され、その一部は既に実用化されています。これは、患者の鼻腔拭い液を採取して、ウイルス抗原を高感度に検出する方法で、外来診療などで抗インフルエンザ剤の使用の可否を判断する際には有用な方法で実用性が高い検査ですが感度は80%程度です。

予防(ワクチン)・治療
高齢者、慢性呼吸器疾患患者、循環器疾患患者、免疫機能低下患者などの、ハイリスクグループには積極的にインフルエンザワクチンを接種して、インフルエンザによる健康被害を予防するべきです。
現行のインフルエンザワクチンはウイルスの感染やインフルエンザの発症そのものを完全には防御出来ませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されており、高齢者に対してワクチンを接種すると、接種しなかった場合に比べて、死亡の危険を1/5 に、入院の危険を約1/3〜1/2 にまで減少させることが期待できます。
また、これらのハイリスク群にウイルスを伝播する可能性の高い医療従事者、介護者、家族などへのワクチン接種も、ハイリスク群における健康被害を減少させる効果が報告されており、積極的なワクチン接種がすすめられます。社会機能の維持・確保のために学校教員、警察官、消防官などにも求められます。特にコロナウイルスの活性が高まる冬にはSARSの流行の恐れがありますので、SARSとの鑑別のためにもインフルエンザのワクチンを受けておくことが大切です。
現在我が国で用いられているインフルエンザワクチンは、ウイルス粒子をエーテルで処理して発熱物質などとなる脂質成分を除き、免疫に必要な粒子表面の赤血球凝集素(HA)を含む画分を密度勾配遠沈法により回収して主成分とした不活化HA ワクチンであす。現行ワクチンの安全性は極めて高いと評価されています。インフルエンザシーズン前(通常11月中旬〜12月中旬)に、65歳以上では1回、13〜64歳では1〜2回、13歳未満では2回、皮下接種しますが、2回接種の場合には1〜4週間の間隔を空けます。できるだけ2回接種を受けてください。
平成13 年11 月からは、インフルエンザは予防接種法の2類疾病に分類され、1)65 歳以上の高齢者、2 )60 歳以上65 歳未満であって、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能に、またはヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に一定の障害を有する者に対しては、本人の希望により予防接種が行われ(佐世保市では自己負担1000円)、また万一副反応が生じた際には予防接種法に基づいて救済が行われることとなりました。
我が国では、世界各地および日本国内の流行情報、WHO によるワクチン推奨株、国内外の分離ウイルスの抗原解析、遺伝子解析などに基づいて、毎年2〜3月頃に次シーズンの流行ウイルスを予測します。さらに予想されるウイルスをワクチンとして接種した場合に期待される有効性や抗原変異株への対応性、さらにワクチン製造上の効率などを総合的に検討して、次シーズンのワクチン製造株が選定されます。現在はA 型のH3N2 とH1N1 およびB 型の3種のインフルエンザウイルスが毎年世界中で流行しているので、原則としてインフルエンザワクチンはこの3 種類の混合ワクチンとなっています。流行する型は同じ年であっても世界各地で異なりますのでWHOが推奨する型以外が日本の推奨株になることもあります。
インフルエンザに対しては、これまでは対症療法が中心とされてきましたが、1998 年我が国でも抗A型インフルエンザ薬としてアマンタジン(Amantadine)を使用することが認可されました。アマンタジンはもともと抗インフルエンザ薬として1964 年に発表されていましたが、我が国では抗パーキンソン治療薬など精神神経作用薬としてのみ認可されていました。アマンタジンはB 型ウイルスには無効ですので迅速診断キットでA型であると確認もしくはA型が強く疑われる場合のみ使います。神経系の副作用を生じやすく、また、患者に使用すると比較的早期に薬剤耐性ウイルスが出現するため、注意して使用する必要があります。
新規に開発されたノイラミニダーゼ阻害薬(ザナミビル、オセルタミビル)は我が国では2001年に医療保険に収載されました。ノイラミニダーゼ阻害薬はA 型にもB 型にも有効で、耐性も比較的できにくく、副作用もほとんどないとされており、発病後2 日以内に服用すれば症状を軽くし、罹病期間の短縮も期待できます。小児用の細粒もありますが味は悪いようです。
対症療法として解熱剤はインフルエンザに限らずよく使用されるが、必要最小限に留めるべきです。ことにアスピリンは、ライ症侯群との関係が推測されており、小児への使用は原則禁忌です。総合感冒薬等にも含まれていることがあるので注意が必要です。また、インフルエンザ脳症の発症との関連が疑われるため、非ステロイド系解熱剤のうちジクロフェナクナトリウムは禁忌、メフェナム酸は基本的に使用しないよう合意がなされており、必要な場合はなるべくアセトアミノフェンを使用することが推奨されています。肺炎や気管支炎を併発して重症化が予想される患者に対しては、これらの合併症を予防するために抗菌薬の投与が行われることがあります。
インフルエンザ脳症の治療に関しては確立されたものはなく、臨床症状と重症度に応じた専門医療機関での集中治療(低体温療法等)が必要です。

感染症法の中でのインフルエンザの取扱い
インフルエンザは第4類の定点把握疾患に定められており、あらかじめ指定されたインフルエンザ定点医療機関(小児科約3,000、内科約2,000、計約5,000定点)より毎週、年齢群別患者数が報告されている。報告のための基準は、以下の通りである。
○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の4つの基準を全て満たすもの
  1. 突然の発症
  2. 38 ℃を超える発熱
  3. 上気道炎症状
  4. 全身倦怠感等の全身症状
  なお、非流行期での臨床診断は、他疾患とのより慎重な鑑別が必要です。
○上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの

学校保健法でのインフルエンザの取り扱い
インフルエンザは学校において予防すべき伝染病第2 種に定められており、通常は解熱後2 日を経過するまで出席停止となります。しかし病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではありません。

(1)発熱について(2)引きつけについて(3)嘔吐について(4)下痢について(5)脱水について
(6)咳・喘鳴について(7)各論1 麻疹(8)各論2 風疹(9)各論3 特発性発疹
(10)
各論4 水痘11)各論5 水いぼ(12)各論6 手足口病(13)各論7 おたふくかぜ
(14)各論8 リンゴ病(15)各論9 マイコプラズマ肺炎(16)各論10 百日咳
(17)各論11 溶連菌感染症(18)各論13インフルエンザ

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